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阿賀川流域学講座 〜第1回 イトヨの名と形〜

イトヨ属は北半球の海に面したところに棲む、しかしその南限は北緯35度以北に限られる。日本においては、遡河型(降海型と同じ)で山口県(日本海側)利根川(太平洋側)となる。淡水型(陸封型と同じ)は、福井県大野市を南限に、北海道まで広がる。しかし、その多くは海に近いところの淡水に棲む海よりおよそ100kmも離れたところに生息を続ける淡水型のイトヨは、ここ会津と栃木県那須・大田原ぐらいのものである。(レッドリスト記載は陸封型のみ)
イトヨは学名をGasterosteus.aculeatusという。
Gasterosteusとは腹に骨がある、aculeatusとはトゲがあるという意味である。
そのものズバリの名をもつ魚である。

淡水型は今ではとても貴重で食すことは出来ないが、遡河型はスーパーで春季に売られているときもある。20数尾1パックで300円くらいである。手に入ったなら良く見て欲しい。
成魚で背中のトゲのテッペンよりうすい皮(棘皮)が下方、背中にのびていれば陸封型、トゲの途中より棘皮が下方、背中にのびていれば降海型。きっとあなたが食すのは降海型。
そして一気に食べないで注意深く身をほぐし、骨を見てみましょう。そして学名の意味を感じましょう。腹に骨があるとはどういう意味なのでしょう。
冬が過ぎ海に上るイトヨを春告魚とまで言った風物詩。
今は遡上するイトヨの激変で、その言葉さえ消えかかっている。


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